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にしの♀りな Solo Exhibition『情念チシズム』

  • 執筆者の写真: TANPENS 編集室
    TANPENS 編集室
  • 2024年6月10日
  • 読了時間: 2分

私小説のようなアート


ハッとさせられるアートに出会うことがある。ひとつの作品に全身全霊を捧げたようなアートだ。そんなものに出会ってしまったら、もうただではすまない。2024年5月1日から15日まで、神戸北野のGallery Bricolageにて開催されていた、にしの♀りな Solo Exhibition『情念チシズム』 がそれだ。

女性の「情念」を描く作品に僕は圧倒された。

作家がアートに自分の技術や才能、想いをのせるのは当たり前のことかもしれないが、多くは「テーマ」があって、その向こうに作家が見えてくる。だが、にしの♀りなの作品群はまるで赤裸々な私小説でも読んでいるかのようにむき出しの「人間」が迫ってくる。

軽々しく「この作品が好きです」とは言えない。言うのには「覚悟」と呼ぶべきものが必要だ。それはこの作品たちがあまりに「切実」だからだ。身を切らんばかりの「情念」がそこにあって、飲み込まれそうになる。

作品を見る。僕は自分が愛したある女性を思い出す。若いころの僕は未成熟な半端ものだった。それが何度も愛する人を傷つけていた。そのときの記憶が鮮明によみがえる。私小説的なアート作品は一瞬にして僕のむきだしの記憶を呼び起こす。

ああ、そうだ、この作品は「恋愛」なのだ。美しさも汚さも愛しさも憎しみもすべてぐちゃぐちゃになってしまう、どうしようもなさを僕に見せてくれているのだ。そう思った。


にしの♀りな

1993年 山梨県南アルプス市(旧八田村)に生まれる

2011年~2017年 静岡大学教育学部美術教育学科にて絵画を専攻

2023年 ”情念系油彩画家”として活動開始

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